普段使用しているホンダバモスのヘッドガスケット抜けにより、クーラントがエンジンシリンダー内へ漏れているらしい。
このまま放置しておくと、エンジンオーバーヒートなどの症状が発生してしまう為、修理する事に。
素人でもネット情報などを駆使してやれるか⁉
取り敢えず必死に取り組みます!
※参考にされる方は自己責任にてお願いします。(当方責任とれません。)
エンジンヘッドガスケット交換 取り外し
今回は取り外したエンジンシリンダーヘッドの分解、整備を行います。
エンジンヘッド取り外しまでの過程は以下で説明しています。
またヘッドガスケットのみ交換で、エンジンヘッドの分解、整備(オーバーホール)をやらない方は次の組立編へ飛んでください。
エンジンシリンダーヘッドの分解
取り外したエンジンシリンダーヘッドのオーバーホールを始めていきましょう。
せっかくエンジンヘッドを取り外したんなら、素人でもやれる事はやっておきたいですよね⁉
カムシャフトプーリーの取り外し
カムシャフトプーリーを取り外します。
プーリーを取り外すにはプーリーホルダー(プーリーホールドレンチ)という工具があると便利です。
購入したのは安っすいやつですが、使用できたんで問題ないっす。
取り外す画像を撮影し忘れていましたが、カムプーリーの長穴部分などに、プーリーホルダーのピン部分を引っかけて固定しプーリーを固定しているボルトを外します。
別作業時の画像ですが以下の様に使用します。
ちなみに僕はプーリーを取り外す前にカムシャフトホルダーを取り外してしまっています。
カムプーリーを取り外す理由はカムシャフトシールの交換の為なんですが、交換する事を考えてなく部品の手配もしていませんでした。
なので後で気が付いてから、プーリーを取り外しています。
カムシャフトホルダの取り外し
カムシャフトを固定しているカムシャフトホルダ(ロッカーアームホルダ)を取り外します。
取り付けボルトは一気に緩めず外側から順番に緩めていきます。
僕の場合はロッカーアームがバラバラになってしまうのが面倒だったので、緩めたボルトを針金で固定しておいてロッカーアームホルダを取り外しました。
カムシャフトホルダを取り外せたらカムシャフトを取り外し、軸受け部分やシャフトにキズが無いか確認しておきます。
カムシャフトホルダとヘッドの軸受け部分、シャフトにキズ等は無く綺麗な状態でした。
カムシャフトホルダ裏側のプラグホールパッキンは以前交換している為まだ使用可能でしたが、簡単に分解できる所じゃないのと、パーツ代が安いので交換します。オイル漏れする有名な場所だしね。
以下が以前プラグホールのオイルシール交換した時の記事です。
バルブの取り外し
次はバルブを取り外していきます。
バルブスプリングコンプレッサー
この作業では以下の様な「バルブスプリングコンプレッサ―」という特殊工具を使用します。
こちらもそんなに個人的には使用頻度は無い為、安いやつを購入しています。
使用時、工具の安定感、製作精度など気になる点はありましたが、問題なく使用しています。
バルブスプリングの取り外し
バルブを取り外すには、コッターという部品を取り外します。※下画像14番
コッターはバルブスプリングの弾性力を利用してとりつけられています。
1.バルブスプリングコンプレッサー片側をエンジンシリンダー側のバルブへあてがいます。
もう一方側をバルブスプリング側へあてがいバルブスプリングを挟み込む様にセットします。
バルブスプリングコンプレッサーの取り付ける位置がズレていると、作業中に工具が外れてスプリングが飛んできたりして危険なので、確実に取り付けて作業しましょう。
2.バルブスプリング側を徐々に締めこんで、スプリングを縮めていきます。
3.スプリングを縮めたらコッターという部品をマグネットピックアップツールなどで取り外します。
コッターを取り外す時にマグネット棒などがあれば便利です。※コッターは小さな部品なので失くさない様注意しましょう。
4.バルブスプリングコンプレッサーを徐々にゆるめていき、スプリングを外します。
コッターを取り外すと、スプリングが取り外せます。
スプリングには向きがあるので、取り付ける時に注意します。
エンジンヘッド側がスプリングのピッチが狭くなっています。
5.バルブをシリンダー側から、引き抜きます。
※バルブはヘッドのシート面との当たりが付いているので、何処についていたバルブかわかるようにしておきます。
バルブステムシールの取り外し
バルブスプリングと、バルブを取り外したらバルブステムシールを取り外します。
ステムシールは劣化するとオイル下がりの原因なので、交換します。
ステムシールは交換するので、プライヤーなどで挟んで引き抜きました。
ステムシールを取り外した後に、スプリング下側のリテーナーもマグネットツールなどで取り外しました。
こちらもとりはずして掃除します。
エンジンシリンダーヘッドの掃除
エンジンヘッドの部品を取り外せたので、次はオーバーホールならではの掃除をしていきます。
インテークマニホールドのガスケット剥がし
インテークマニホールドガスケットは紙製なので、ヘッドにこびりついてしまっています。
ネット情報などを見ていると、ガスケットを取り剥がすのに苦労しているとあります。
僕は初めての経験なので、半分ワクワクしながら取り掛かっていましたが、確かに時間がかかりました。
掃除中の画像を撮影し忘れていました・・・💧。
ガスケット剥がしには以下のツールを使用しました。
・スクレーパー
頑丈な作りな物を選んだ方が良いです。柄の部分を叩いて使用したりもしました。
・パッキン剥がし剤
こいつを吹き付けてスクレーパーでガシガシとガスケットを削り落としました。
シリンダーヘッド全体の掃除
今までおそらく一度もバラシていないであろうエンジンなので、カーボンなどが付着して汚れています。掃除は面倒な作業ですが、このひと手間で綺麗なエンジンと性能向上が得られるかも?!と考えると、つい夢中になってしまいます。
シリンダーヘッドボディ全体へエンジン洗浄剤などを吹き付け、真鍮ブラシやスコッチブライトなどを使用してゴシゴシ汚れを落としていきました。
カムシャフト側にこびりついた黄ばんだオイル汚れと、シリンダー側についた黒いカーボンなどをある程度取り除く事は出来ました。(以下画像参照)
シリンダーブロックとの合わせ面、インテーク、エキゾーストマニホールド合わせ面などはオイルストーンをかけておきました。
※カムシャフトの軸受け部や、バルブの当たり面などは特にキズを付けない様に注意しましょう。
バルブの確認と掃除
取り外したバルブの確認をしておきます。
バルブにもカーボンなどが付着しているので、エンジン洗浄剤やキャブクリーナーなど吹き付けて、スコッチブライトで磨きました。
その際、バルブのエンジンヘッド(バルブシート)との当たり面にキズ、欠けなど異常が無いかも確認します。
またバルブに曲がりやキズがないか全体を確認しておきます。
画像を取り忘れましたが、僕のバルブは2番シリンダーエキゾースト側1本、バルブステム(軸の部分)に少し曲がりがありました。
取り外す時、抵抗があり引き抜きにくいな~と感じていましたが・・・💧。
稼働するストロークに問題は無かったので今回はそのまま再使用します。(真似しないでね。)
※バルブに異常があり交換する場合は、バルブシートとバルブのすり合わせ作業が必要になります。
バルブシートの確認
バルブとエンジンとの当たり面バルブシートが荒れていると、シリンダー内の圧縮が保てなくなります。 今まで正常に稼働していたエンジンですが一応確認しておきます。
まだバルブシート部分にカーボンなどの汚れが残っているので、もう少し掃除しておきます。
まぁいままで正常に動いてましたから大丈夫でしょう。
※バルブ、バルブシートに異常がある場合はバルブのすり合わせが作業が必要になる事があります。
エンジンシリンダーヘッドの組立
エンジンヘッドの掃除が終わったら組立作業に入ります。
交換部品などを取り換えながら、エンジンを新しく組み上げる気持ちで頑張っていきましょう。
バルブステムシールの組付け
バルブステムを取り付ける前に、先にスプリングリテーナーをくみつけておきます。
忘れず先にリテーナーを取り付けてから、ステムシールを組付けよう。
バルブステムシールを取り付けます。
バルブステムシールは、吸気側と排気側で種類があるので間違えない様に注意しましょう。
吸気側:銀色のスプリング
排気側:黒色のスプリング
取り付けはステムシールを押し込んで取り付けていきます。
途中で手が痛くなったのでソケットを使用して取り付けました。
(10mmの12角がちょうどのサイズだった。)
バルブの組付け
バルブステムシールを取り付けしたら、バルブを組み付けます。
バルブを組付けバルブスプリングを取り付けていきます。
スプリングには上下向きがあるので注意します。
ピッチが狭い方が下側(エンジン側)
取り外す時に使用した、バルブスプリングコンプレッサーを使用してコッターを取り付けていきます。
ピンセットでコッターをつまんで慎重に取り付けていきます。
コッターを取り付ける時に、バルブの取り付け箇所溝部分にグリースを塗布しておくと取り付けやすくなります。
小さな部品なので失くさないように注意します。
コッターをとりつけたら、ゆっくりとスプリングコンプレッサーを緩めていきます。
これを12回繰り返します。💧
時間に余裕をもって、作業は落ち着き、集中して行いましょう。
ロッカーアームの組付け
ロッカーアームホルダを取り付ける前に、ホルダ裏側にあるプラグホールのOリングを交換しておきます。
僕の場合は以前交換したばかりなので、ゴムはまだ柔らかくオイル漏れの心配はありませんでしたが、すぐに触れる場所でもないのでついでに交換します。
カムシャフトを組みつける前にヘッド、ロッカーアーム軸受け部分にエンジンオイルを塗布しておきます。
オイル差しなどを持ってないので、指にオイルを付けて軸受け部分に塗っておきました。
カムシャフトをヘッドにセットします。
カムシャフトシールを先に取り付けてから、カムシャフトをヘッドにセットします。
カムシャフトシールの取り付けが悪いとオイル漏れにつながります。
ロッカーアームの組付けを行います。
僕の場合はボルトに針金をかけてバラバラにならない様にしていたので、そのまま組付けれます。
ゴミなどの異物や接触面にキズなどの凹凸が無いことを確認して、組付けます。
ボルトは一番真ん中から外へ向かって歪を取るように締めこんでいきます。
一度で1つのボルトを締めこむのではなく、同じトルクをかけながらすべてのボルトを均等に締め付けていきます。
カムシャフトホルダ締め付けトルク:22N.m
カムシャフトプーリーを取り付ける
プーリーに打ち込んであるピンとシャフトのキー溝を合わせて取り付ける。
プーリーの取り付けは、取り外しの時に使用した「プーリーホルダー」を使用して、取り付けます。
カムシャフトプーリーボルト締め付けトルク:73.5N.m
カムシャフトプーリーを取り付けた反対側の軸端部分にタペットサーキュラーを取り付けます。
こちらもオイル漏れでメジャーな場所なので交換しておきます。
尚取り付けには向きがあるので注意します。
ー部分がヘッドと水平に合わせ、〇部がヘッドの上向きになる様に取り付ける。
タペットクリアランス調整
ここまで来たらヘッドの組立は完成していますが、もうひと手間。
タペットクリアランスを調整しておきます。
吸気側:0.15~0.19mm
排気側:0.23~0.27mm
僕は吸気側0.15㎜のシックネスゲージが軽く入り、0.2㎜は入らない程度に。
排気側は0.25㎜のゲージが入り、0.3㎜は入らない程度に調整しました。
各シリンダーの圧縮上死点に合わせて、吸気側、排気側のバルブクリアランスを調整します。
カムシャフトプーリーを回して圧縮上死点位置を合わせます。
カムシャフトプーリーを回すとバルブが開閉し動くため、バルブが干渉しないように注意して下さい。
こちらは以前作業してますので参考までに。
まとめ
おつかれさまでした。
やっとエンジンヘッドが組みあがりました。
次はエンジンシリンダー部分と合体させていきたいと思います。
バルブステムを交換出来たので、オイル下がりへの効果が期待できそうです。
またエンジンヘッドの汚れ、カーボンなどもある程度掃除出来たので、組み上げた時のエンジンパフォーマンスに期待が出来そうです。
などと思っているとワクワクしてきますが、無事組み終えてエンジンがかかってくれれば満足です!
取り敢えず素人ながらにやれる事はやった感はあります。
次はヘッドガスケットの組立編です。
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