僕の乗っているホンダバモス、E07Zエンジンの持病ヘッドガスケット抜けの様な症状がみられるようになりました。
ダッシュパネル裏側より水の流れる様な音が聞こえてきたら、E07Zエンジンのバモス、アクティーをお持ちの方は要注意ですよ。
素人なりの好奇心だけは多い為、自分でヘッドガスケット交換を行った備忘録的な事例をご紹介します。
※故障原因を決めつけてはいけませんので、個人で修理される際にも一度整備工場で診断してもらって下さい。作業は自己責任にてお願いいたします。
エンジンヘッドガスケット交換 準備
では早速作業開始!
ガンガン部品を取り外しましょう!・・・とはいけません。
まずは準備から、特殊な工具等も使用する為、こちらを確認して下さい。
エンジンヘッド取り外し手順
部品、場所、時間の準備ができたら作業に取り掛かりましょう。※自己責任で。
作業時は車を安全にジャッキアップ出来る様な場所で行いましょう。(長時間作業になります。)
また無理せず、途中で作業を中断出来る環境で行います。(突然のトラブルは何時も起こる。)
安全第一!
クーラント&エンジンオイルを抜く
エンジンオイルフィルターの取り外し
まずは、エンジンオイルを抜きましょう。
ドレンボルトを緩めて、オイル受けを用意しておきましょう。
またオイルが抜けたら、オイルドレンボルトワッシャ―は新品の物と交換し取り付けておきましょう。
オイルフィルターも取り外しておきます。
クーラントを抜く
次はエンジン冷却水(クーラント)を抜いていきましょう。
ちなみにこのホンダE07Z バモス、アクティー系車両のクーラント交換は間違いなく手間、時間がかかります。クーラントを抜く時はそれなりの覚悟を決めて行いましょう。💧
んなこと言ってても始まらないので、ドンドン抜いちゃいましょー。
ラジエター下側に左上画像赤丸部のようなドレンコックがあるのでゆるめます。
また右画像のエンジンからラジエターまでのクーラントパイプラインの途中にもドレンがあるのでそこからも冷却水を排出します。
サーモスタッドの取り外し
冷却水で作業中濡れるのも嫌なので、ついでにサーモスタッドも取り外しておきます。
当然そこからも冷却水が漏れてくるので、注意してください。
左上画像赤丸部のボルトを3箇所外します。
エキマニ&マフラーの取り外し
冷却水のパイプやオイルフィルターが邪魔で、取り外しに苦労したエキゾーストマニホールドも今なら簡単に取り外せそうなので、CRCやラスペネなど浸透潤滑剤をスプレーして取り外しにかかります。
まずは遮熱板を取り外します。
僕は以前交換して期間も短かったので比較的楽に取り外せました。
何とか遮熱板上側、下側共に取り外す事が出来たら、エキマニ取り外しに掛かります。
エキマニはナット6本でエンジンヘッドへ固定されているので全て取り外します。
またマフラーとの接続部分にもステーが取りつけてあるのでついでに取りはずします。
O2センサーはエキマニに取り付けたままで、配線カプラー部分から取り外します。
ついでにマフラーもこのタイミングで取り外しておいた方が、後の作業スペースが確保出来て楽です。
タペットカバーの取り外し
タペットカバーの取り外しも以前行っているので、以下も参考にして下さい。
タペットカバーを取り外す為に取り付けてある物を全て取り外していきます。
- イグニッションコイル
- 配線・カプラー類
- センサー取り付けボルト
- ブローバイパイピング
など邪魔な物を取り外すか、ズラす事が可能ならそうします。
イグニッションコイル、ブローバイのパイピングなどを取り外す。
配線類などコネクターを取り外し、横にずらして除けておく。
余計な物がタペットカバーに取り付いていない状態にする。
タペットカバーはボルト4本で取り付けてあります。
上側2本はロング、下側2本はショートボルトです。
後は、タペットカバーとエンジンヘッドの間にマイナスドライバーなどをゆっくり差し込みながら、貼り付いたタペットカバーを取り外していきます。
ファンベルトの取り外し
ファンベルトカバーを取り外します。
まずはファンベルトカバーを取り外します。
ボルト3本で固定されています。
エアコン、オルタネータベルトの取り外し
次にファンベルト取り外しです。
エアコン用とオルタネーター(発電機)用のベルトをそれぞれの支点となる固定用ボルトを少し緩めておきます。
それぞれのベルトテンション(張り)調整用のボルトを緩めて、ベルトテンションを緩めればベルトを取り外せます。
エアコン、オルタネーターのベルトを取り外した後、オルタネーターのベルト張り調整用のステーも
取り外しておきます。(下画像赤〇部分)
またアースコードがエンジンとボディ側へ繋がっているのでこちらも千切らない様に注意。今のうちに取り外しておきましょう。(下画像青〇部分)
クランクシャフトプーリーの取り外し
ここまでバラシてからいう事では無いですが。💧
エンジンヘッドシリンンダーを取り外すには、タイミングベルトを外さなければなりません。
その為には、タイミングベルトカバーを外さなければなりません。
そしてその為にはこのクランクシャフトプーリーを取り外さなければならない!
ここが取り外しで一番苦戦したかも~(;´Д`)。
インパクトレンチなどでクランクプーリー取り付けボルトが緩めば良いんですが‥💧。
僕は安物の280N.mの電動インパクトレンチを使用したんですが、ダメでした。
高トルクのインパクトレンチ等なら対応可能かも。
以下の様なSST(特殊ツール)を使用してクランクプーリー取り付けボルトを緩めました。
下画像の様にSSTと枕木を使用してクランクの回り止めをしつつ、クランクシャフトプーリーの取り付けボルトを延長パイプなど使用して、やっと取り外す事が出来ました。
クランクプーリー取り外し作業開始から、3時間以上・・・💧。
休憩を取りながらですが、緩まないボルトに知恵と工夫で失敗しながら挑みました。
もう無理かと何度も思った⁉ チョ~~固い💦
やっとの事でクランクプーリーを取り外しましたが、この時プーリーとシャフトにキーが取りつけてあります。(下画像赤丸部分にキーが取りつけてある。)
小さな部品なので失くさない様に注意する。
エンジンマウントとタイミングベルトカバーの取り外し
クランクプーリーが取り外せたら、エンジンマウントブラケットの取り外しと、タイミングベルトカバーを取り外します。
エンジンマウントの取り外し
エンジンマウントを取り外す為、車体からエンジンが傾いてしまいます。
その為エンジンを下からジャッキなどで支えてやる必要があります。
上画像の様にエンジン下部にバン木やジャッキ等を当て支えてやる。
左上画像の青〇箇所にカムポジションセンサ―が取りつけてあるので、取り外します。
画像ではすでに取り外してあります。
画像右上の赤丸箇所がエンジンマウントブラケットです。取り付けてあるボルトを全て緩めて取り外します。
取り付けてあったボルト等は長さに違いがある箇所があります。忘れないように元の位置へ取り付けておいて元に戻す時の間違えないようにしましょう。
タイミングベルトカバーの取り外し
クランクプーリーを取り外せたら、やっとタイミングベルトカバーが取り外せます。
その前にタイミングベルトカバー下側についている金属製のプレートを取り外しておきます。
エンジンを下側より撮影してます。
左下画像赤〇部分のパーツを取り外します。 右下画像青〇ボルトで固定されています。
タイミングベルトカバー(樹脂製)を取り外します。
タイミングベルトカバーはボルト6本とクリップ2箇所で取り付けてあります。
上、下の2分割構造になっています。(下画像参照)
ようやくタイミングベルトがお目見えしました。
タイミングベルトの取り外し方
タイミングベルトを外す前にクランクシャフトドライブプーリーについている、ガイドプレートを取り外しておきましょう。取り付け向きがあるので間違えない様にして下さい。
カムシャフト、クランクシャフトの位置合わせ
タイミングベルトを取り外す前にクランクシャフトとカムシャフトの位置を合わせておきます。
取り付ける時に間違えを防止する為にも位置を合わせておくと良いでしょう。
位置合わせをする為に僕の場合は、取り外したクランクプーリーとキーを、またクランクシャフトへとりつけました。プーリー取り付けボルトは付けていません。
クランクプーリーの取り付けボルトを外す時に使用したSST工具を使って、クランクシャフトプーリーを反時計回りに回し位置出ししました。
1番圧縮上死点にカムシャフト、クランクシャフトの位置を合わせます。
下画像の様にそれぞれの位置にマーキングがされています。
カムシャフトプーリー「UP」と書かれている位置がエンジンヘッドに対して上側位置にいる時、プーリーの両サイド突起部がシリンダヘッドと水平位置になる様に合わせます。
クランクシャフトドライブプーリーは、キーのある位置を延長したプーリーの歯上面に△マークが刻印されています。(上画像参照)
プーリーの△刻印と上画像位置にある⇨マークを合わせます。
クランクシャフト、カムシャフトの位置が合っている事を確認してからタイミングベルトを取り外します。※位置を合わせる時に回し過ぎてしまっても、時計回し(エンジン逆回転)しないように!
必ず位置合わせする時は反時計回り(エンジン回転方向)で合わせます。
タイミングベルト取り外し
カムシャフト、クランクシャフトの位置を1番シリンダー圧縮上死点に合わせたら、タイミングベルトを取り外しにかかります。
下画像テンショナープーリーの取り付けボルト赤〇部分を緩めて青⇨の方向へテンショナープーリーをずらして、プーリー取り付けボルトを締め直します。
ベルトのテンション(張り)が弱まるので、タイミングベルトを取り外せます。
テンショナープーリーの位置からタイミングベルトを取り外すと外しやすいです。
テンショナー、アイドラープーリーの取り外し
タイミングベルトが取り外せたら、(下画像赤〇部)テンショナープーリーと(下画像青〇部)アイドラープーリーを取り外します。
テンショナープーリーはスプリング部品が取りつけてあるので取り外し時注意して下さい。
どちらのプーリーもタイミングベルト交換時に新しい物への交換をオススメします。
ウォーターポンプの取り外し
タイミングベルトが取り外せたのでこの機会にウォーターポンプを交換します。
特に不具合や、冷却水漏れなどウォーターポンプから見あたらないんですが、タイミングベルトを取り外す事はそんなに無いのでこの機会に交換します。
まずはウォーターポンププーリーそばについている、樹脂製のタイミングベルトカバーパーツを取り外します。
次にウォーターポンプを取り外します。ボルト4本で固定されていて、2本ノックピン(位置決めピン)が挿入されています。
ボルトを緩めたら、ウォーターポンプ本体を樹脂ハンマーなどで「コンコン」と叩きながら取り外します。
この時内部に残っているクーラントが漏れ出てくるので、受け皿を用意しておいて下さい。
ちなみに僕はノックピンを再利用しようとしましたが、ウォーターポンプから取り外す時にキズをつけてしまい再利用不能となりました。💧
クーラントアッパーホースの取り外し
タイミングベルトを外す前に作業しても良いと思います。
配線ステーの取り外し
タイミングベルトが取りついている方とは逆側のエンジンヘッドに、配線カプラーのステーが付いています。このステーを取り外します。
クーラントアッパーホースの取り外し
クーラントのアッパーホースもエンジンヘッドへ繋がっているので取り外します。
狭小スペースだったので、取り外しにだいぶ苦戦しましたが車体下部から腕を伸ばして、プライヤーでホースバンドをずらして、地道にマイナスドライバーなどでこじりながらホースを取り外しました。
時間かかった~💧。
水温センサー配線の取り外し
クーラントアッパーホースの取り付けて合った場所の少し上側に配線カプラーが見えます。
この先に水温センサーが取り付けてあります。
水温センサーの配線がカプラー部分で接続されているので、引き抜きます。
水温センサーはヘッドに取り付けたままで外しました。
エンジンヘッド部分へ繋がっている配線は全て取り外します。
インテークマニホールドの取り外し
今度は室内側よりエンジン上からの作業になります。
インテークマニホールドのエンジンヘッドへの取り付けボルト、ナットを外します。
取り付けナット3個、ボルト3本で固定されています。
インテークマニホールドのエンジン側への取付ナット&ボルトを外したら、インテークマニホールドとエンジンヘッドの間に隙間を作ります。
エンジンヘッドを取り外す時、インテークマニホールドのボルト部分が干渉して取り外しが困難になる為、ばん木などでスペースを確保します。
エンジンヘッドの取り外し
ようやくここまで来ました。
いよいよエンジンシリンダーヘッドの取り外しです。
ヘッドボルトは8本あり、一度にすべて緩めず、外側から対角に緩めていきます。
ボルトはかなり固く締まっていたので、緩めるのに力が要りました。
僕の場合はエンジンヘッドボルトを取り外したら、車内側へ引き入れる様に外しました。
つまり車内側(エンジン上側)から手を伸ばして、エンジンヘッドを車内へ引き上げるイメージです。
取り外したエンジンヘッドの車内への引き込み時、干渉があり苦労しましたが何とか取り外せました。
カムシャフトプーリー側を持ってヘッドを縦向きにしながら引き上げたと思います。
ネット等調べてみると、ボディ下側からヘッドを取り外してリーフスプリング(板バネ)に一旦置いて取り外す手法もあるようです。
どちらにしてもエンジンヘッドはかなり重いので取り外し時は十分注意して下さい。
2人でフォローしながら作業出来ると良いです。
お疲れさまでした~。
まとめ
ここまでがエンジンヘッドを取り外すまでの工程となります。
お疲れさまです~(;´Д`A “`
僕は初めてこの作業を行いましたが、クランクシャフトプーリーの取り付けナットが緩まなかったのと、クーラントアッパーホースが中々の狭小スペースで作業出来ず、時間がかかりました。
正確な作業時間を測定していませんが、8時間以上はかかっています。
(途中中断しながらで2日かかってます。)
まぁ作業を確認しながら調べながらやってるんでこんなもんでしょう。
作業中はボルト&ナットが外れないといったことから様々なトラブルが起こります。
場所と時間に余裕をもって出来る条件を整えてからエンジンガスケット交換作業を行いましょう。
くれぐれも安全に自己責任でお願いします。
次はエンジンヘッドの分解・整備です。
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