先日友人から耕運機のエンジンがかからなくなってしまったので、一度見てほしいと言われました。
そういわれてもこちらも、機械いじりが人よりちょっと好きなだけの素人おじさんです。
まして耕運機など触った事もありません。
しかし友人から、「どうせなので好きにバラシて良い。」と言われたので、変態心がくすぐられてしまいました。
※この内容は私個人の作業結果を記しています。参考に作業される人は全て自己責任でお願いします。
あなたの作業、結果に私は一切関知いたしません。
耕運機が水没⁉
相談を受けた耕運機はホンダ製「こまめ F210」です。
台風の影響による大雨で河川の増水と、排水が追い付かず引き起こされた内水氾濫によって友人の愛機「ホンダ こまめ F210」耕運機が水没してしまったようです。
大変な災難でご苦労されてます。(;´Д`)
修理の相談を専門店?にしたら、「2万円くらいかかるかも!?」と言われたそうで、2万円かかるなら新品や中古の耕運機購入の費用に当てると考え、どうせならダメ元でバラシて見るかと思い僕に話をしてくれました。
ダメ元で、好きにバラシて良い⁉なら面白そう・・・って思ってしまうのは変態だからでしょうか?
俄然やる気が!!
耕運機こまめF210の状態
友人からの耕運機現状情報
ホンダ製耕運機「こまめ F210」の現状態を確認しておきましょう。
- 耕運機全体が水没してしまった
- リコイルスターター(手動式エンジンスターター)を洗浄し駆動は可能
- 燃料は入っている
- エンジンがかからない
水没した当初は、リコイルスターターというエンジンスタートする為にロープを手で引っ張ってやるやつが重たくて引っ張れ無かった様です。
そこで上部カバーを外して、スターター回りを洗浄したところ、ロープの引きは軽くなったそうです。
水没して乾いた汚泥が回転駆動部に付着していたのでしょう。
以上が友人からの情報です。
耕運機の現状調査、修理
リコイルスターターを引っ張って何度かトライしてみましたがエンジンはかかりませんでした。
また耕運機を傾けた時にマフラーから水が出てくる事もありませんでした。
そこで上記情報から、さらに踏み込んで現状調査。
簡単に直せるかも⁉という事から試しながら、エンジン始動に向けてチャレンジです。
点火プラグの確認と掃除
まずは点火プラグを確認します。
確認事項は以下です。
- プラグ先端の汚れ
- 点火プラグに火は飛んでいるか
では順番に見ていきましょう。
プラグ先端の汚れ
点火プラグに繋がっているプラグキャップ(コード)を引き抜いて取り外します。
(引き抜けば外れます。)
取り外したプラグキャップの取り付け部分をウエス等で掃除しておきます。
点火プラグに合うプラグレンチを使用して、プラグを取り外します。
(僕は19mmのディープソケットレンチで代用しました。)
取り外した点火プラグ先端の状態を確認します。
黒く汚れて少し湿っています。濃い燃料やオイルがプラグにかかって濡れている状態ですね。
チョークを使用し何度かエンジンをかけようとして燃料が濃い状態であった為、「プラグが被った」症状になっていました。
#500番くらいの紙ヤスリ等で、プラグ先端を磨いてやりました。
汚れているだけなら、ウエス等で拭き取るだけでも良いです。
通電し、スパークしやすい様に掃除しておきましょう。
点火プラグに火は飛んでいるか
点火プラグ(スパークプラグ)をエンジンから取り外し先端の汚れを確認したら、ちゃんと火が飛んでいるのかを見てみます。
火が飛んでいるか?とは「スパーク」しているか⁉という事です。
エンジンシリンダー内で混合気に点火し起爆させるという大事な役割をちゃんと果たしているのかを簡易的に調べてみます。
点火プラグのスパーク確認方法
- 燃料コックをOFFにしておきます。
- エンジンから取り外した点火プラグに、プラグキャップ(コード)を取り付けます。
- メインスイッチをONにします。
- プラグキャップを取り付けた点火プラグのネジ部から先端の金属部分をエンジン金属部分へ接触しておきます。
- プラグ金属部分をエンジン金属部分へ接触させた状態でリコイルスターターを引いて、プラグ先端からスパークしているか確認します。
※プラグコード、点火プラグ中心部分が電極プラス側、プラグネジ部から先端金属部分、エンジン側がマイナス(アース)となります。仕組みを理解しておきましょう。
以下参考動画です。
この確認方法によりエンジンシリンダー内で点火プラグに火が飛んでいる事は確認できます。
ただし簡易的方法で、点火タイミングなどは判りません。
友人の愛機「耕運機こまめ」もスパークしている事は確認できました。
もしこの時点でスパーク(火花)が出ていない場合は点火系のトラブルが考えられます。
また点火プラグ自体の使用年数が経っていて、経年劣化がある場合はプラグの交換をおすすめします。
点火プラグの組付け始動確認
清掃、確認した点火プラグをエンジンへ組付けて、掃除したプラグキャップを取り付けたら一度エンジンを始動出来るか試してみました。
勢いよくリコイルスターターを5回程引っ張ってみましたが、かかりません・・・。
運が良ければプラグ掃除(交換)だけでエンジンかかります。
やっぱダメでしたけど・・・💧。
取り敢えず、火は飛んでいたので点火系は良しとしました。
(ホントは点火タイミング等色々ありますが・・・。)
吸気系の確認
次は吸気系の問題が無いか調べます。
水没している為、不動の原因になっている可能性があると思っているところです。
以下の事を確認します。
- エアークリーナーの確認 汚れ、損傷が無いか
- エアークリーナーボックスの確認 吸気通路に異常が無いか
エアークリーナーの確認
エアークリーナーボックスのカバーを外して、エアークリーナーの状態を確認します。
カバーはチョウナット2個で取り付けてあるだけなので、工具無しで取り外せます。
チョウナットが固着しているときは、CRC等を吹き付けてプライヤー等で掴んで回してやりましょう。
取り出したエアクリーナーの汚れはそこまで酷くなかったですが、水に浸っていた為濡れていました。
これでは空気を吸入しづらい為、エンジンがかかりません。
しばらく天日干ししておきます。
エアークリーナーボックスの確認
エアークリーナーを取り外した後、ボックス自体の確認をします。
エアクリーナーボックスも多少汚れがありましたが、酷い汚れや損傷は見あたら無かった為、掃除するくらいしか触りませんでした。
エアークリーナーが水を吸って濡れていた為にエンジンがかからなかったかもと思い、エアークリーナーを取り外した状態で、エンジンスタートを試みましたが・・・ダメでした。
やはりキャブレターをバラさないとダメか~⁉
燃料系の簡易点検と清掃
今まで点検してみてエンジンがかからないのは、点火系と吸気系(エアークリーナー)が原因ではなさそうなので、次は燃料系を簡易的に点検清掃してみます。
順番に簡易確認してみます。
- 燃料がキャブレターまで送られているか
- メインジェットの確認、清掃
取り敢えず簡易的にここまでやってみます。
本来キャブレターを全て分解し、掃除してやった方が良いですが時間の都合と速く簡単に治ったら嬉しいので簡略化した方法で試みてみます⁉
燃料がキャブレターまで送られているかの確認
そもそも燃料がキャブレターまで送られてきているのかを以下手順で簡易確認します。
- 燃料コックをOFFにします
- キャブレター下側のドレンから燃料を抜く
- 再度燃料コックをONにする
- リコイルスターターを数回引っ張っります
- 再度キャブレター下側のドレンを緩めて燃料が漏れてくるか確認する
下画像赤○部分のつまみを緩める方へまわしたら、赤⇨部分の穴から燃料が漏れてきます。
キャブレターまで燃料がまともに送られていない場合は、燃料パイプ、燃料フィルター等の詰まりが考えられるので、清掃、掃除又は部品交換を行います。
友人のは燃料は問題なくキャブレターまで送られてきていました。
キャブレターの簡易的な清掃
キャブレターを耕運機に取り付けたままで、簡単に点検、清掃して直るかやってみます。
これで直らない時は一度キャブを耕運機本体から取り外して清掃、掃除します。
キャブレターのメインジェット掃除、点検する前に耕運機こまめに取り付けてあるフェンダー?(マッドガード?)をフロントガードパイプごと取り外す事をおすすめします。
マイナスドライバーがアクセス出来ません💧。
(下画像ではキャブレターフロートチャンバー部分を取り外しています。
以下手順でキャブレター簡易清掃をしてみます。
- 燃料コックをOFFにします
- キャブレタードレンから燃料を排出します
- キャブレターフロートチャンバー部分を取り外します
- メインジェット、メインノズルを取り外します
- メインジェット、ノズル及び掃除可能なキャブレター部分を掃除します。
キャブレターフロートチャンバー部分は、下部のボルトを取れば外せます。ボルトとシール用のゴムパッキンがあるので注意します。
取り外したフロートチャンバー部分は綺麗な状態でしたが、細かいゴミ確認出来たので掃除しておきます。
フロートチャンバー部分を取り外した後、キャブ中央部パイプの中にメインジェットとメインノズルがあるので、マイナスドライバーを使用して取り外します。
この時固着していて、ネジをナメてしまうと取り外せなくなるので注意します。
僕は一応CRCを一吹きしてから取り外しました。
左上画像がメインジェットが取りつけてある箇所です。 メインジェット、ノズル取り外し後にキャブクリーナーを吹き付けて清掃しておきます。
右上画像の赤⇨がメインジェット、青⇦がメインノズルです。
メインノズルはメインジェットを緩めて取り外すと奥から出てくるので失くさないように注意します。
確認してみるとどうやらメインジェットの中央部に小さな穴が開いているはずが、光が見えず何かゴミが詰まっている状態でした。
キャブクリーナーやパーツクリーナーを吹き付けて掃除しておきました。
取り敢えず原因はメインジェットの詰まりっぽいので、組付け戻してエンジン始動を試みます。
組立後エンジン始動確認
全ての部品を組付け後、エンジン始動確認をおこないます。
只し、エアークリーナーはまだ濡れたままだったのでとりはずしたままで始動チェックをおこないます。
燃料コックON!
メインスイッチON!
チョークを引いて
リコイルスターターを思いっきりひっぱります!
2~3回で見事エンジン始動!!
この瞬間がたまらない!!
まとめ
今回は水没した耕運機の修理でしたが、原因がメインジェットの詰まりと比較的簡単に修理出来たので良かったです。
素人知識ですが、ダメ元で色々やってみると案外エンジンもかかるかも!?
しかし注意しないと本当にダメにしてしまう事もあるので、ネットの怪しい情報に惑わされないように。(お前が言うな!?)
本来はキャブをバラした時は、全てバラシて掃除した方が後々トラブルは無くなると思われますが、あくまで時間都合と友人承諾の上簡易的にすませています。
もし点火系のトラブルだともっと面倒な事になっていました。
不幸中の幸い、簡単な修理、整備で済んで良かった。少しは友人にも喜んでもらえたかな~。
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