右前側ブレーキの固着と思われる症状が確認できたので、ブレーキキャリパーのオーバーホールを行ってみました。
症状の確認をしてみる
ブレーキキャリパーのオーバーホールを行う前に、現状の症状の確認をしてみます。
- ブレーキを解除して車体が動き出す時に普段聞きなれない異音がする。
- 走行時ハンドルセンターのズレを感じる。
- 走行後一部タイヤホイールから焼け焦げたにおいがする。
- 走行後一部タイヤホイールが異常に発熱している。
このような症状が確認された場合はブレーキ固着が考えられます。
ロードサービス、整備工場に連絡して自走することは避けるようにしましょう。
ブレーキキャリパーオーバーホール
ここからは自己責任になりますが、整備記録として行った方法と手順を記しておきます。
ブレーキ関係の整備不良は危険を伴うため、素人整備はお勧め致しません。
自信のない方は整備工場、プロの方にお任せしましょう。
車の異常にいち早く気が付く事が大事です。
ブレーキキャリパーの取り外し
まずは車体をジャッキアップし、必ずジャッキスタンド(ウマ)をかけましょう。
安全にジャッキスタンドをかけれたらタイヤを取り外します。
1.ブレーキパッドの取り外し
ハンドルをキャリパーが見える位置まで回しておきます。
上左画像のスライドピン固定ボルトを緩めます。
上右画像の様に回り止めに17mmスパナがけをして12mmボルトを外します。
12mmボルトを取り外すしてやると、上画像の様に上側へキャリパーを持ち上げれます。
そうするとブレーキパッドを矢印の方向へずらして取り外します。
ブレーキパッドはブレーキ固着で引きずっていて、パッドも溶けているので交換です。
2.ブレーキキャリパーの取り外し
ブレーキキャリパーを取り外しますが、最初にブレーキホースをキャリパーから取り外します。
ブレーキホースを取り外すと、ブレーキフルードがちょびちょびと溢れてきます。
受け皿を用意しておきましょう。
ブレーキフルードは塗装面を痛めるので、かかった場所は水やパーツクリーナーで洗浄しておきましょう。
ブレーキフルードが全て無くなるとブレーキラインにエアをかんで後々大変なので、上画像右側のツール(ラインストッパー)を使用してブレーキフルード流出を止めておきます。
僕はアストロで購入しましたが、ネットでも販売されてました。
ブレーキホースを取り外したら、スライドピンのブーツを取り外しつつ、キャリパーを上側に持ち上げた状態で、車体側へ引き抜けば取り外せます。
3.キャリパーマウントブラケットの取り外し
キャリパーマウントは17mmボルト2本で固定されています。
ブレーキを取り付けている部品なので強固に取り付けてあり、取り外す時かなり力が要ります。
僕はCRCを使用し、レンチの柄に延長パイプ使用して取り外しました。
(舐めないように注意!)
先に取りはずしたキャリパースライドピン固定ボルトがあった箇所にも、スライドピンが残っています。忘れずに引き抜いておきましょう。
(画像では両方ともスライドピンが取りついた状態です)
ディスクローターの取り外し
どんどん取り外していきましょう。
僕の場合はディスクローターもかなりすり減っていて、段差も出来ていたしブレーキ固着でキズも入っていたので交換します。
右上画像の様にM8皿ビス2箇所でディスクローターが固定されています。
錆ついて固着しているため普通に回すと舐めてしまいました。
そこで左上画像のような※1.ショックドライバーを使用して柄の部分をどついて何とか取り外せました。
ちなみにもう片側(左前)ブレーキのほうは※2.電動インパクトドライバーで慎重に何度かトルクをかけて取り外す事が出来ました。もちろんCRC使用してからです。
出来ればショックドライバーを使用して慎重に取り外す事をおすすめします。
もしネジをなめてしまったら、電動インパクトにキリ(Φ8~10くらい)を取り付けて皿ネジの頭を削り取って下さい。
※1.ショックドライバー
ショックドラバー先端をネジ部に当てがい、柄の部分をドライバー先端が食いつく様に樹脂ハンマーなどで叩きこみます。
すると縦方向の力が回転方向に変わり、ネジが緩む仕組みです。
あると便利!一家に一台ショックドライバー!!
※2.インパクトドライバー
こちらもあると便利インパクトドライバー。
緩まないネジもハイトルクで衝撃を与えながら緩めてくれます。しかし取り扱い時しっかりとインパクトドライバーをネジ(ボルト)部にあてがい保持し、ゆっくりとトルクを調整しながら操作しないと簡単にネジやボルトを舐めてしまいます!
僕は主に緩める方に使用します。締めこむ方はトルク管理に注意が必要!
穴あけも簡単にできます。
ブレーキキャリパー分解清掃
次はブレーキキャリパーのオーバーホールをしていきます。
キャリパーピストンとブーツを取り外します。
キャリパーピストンは外したブレーキホースの取り付け部からエアーダスターなどで圧力をかけてやり取り外します。 僕はエアーコンプレッサーなどのエアーツールをもっていないので、ブレーキホースの取り付け部から棒を突っ込んでピストンを押し出してやる事にしました。
最初は割り箸などで挑戦しましたがビクともしなかったので、どうせピストン交換する予定でしたからドライバー突っ込んでどついてやりました。💧
(おすすめしませ~ん。)
ある程度ピストンが飛び出てきたら手で引き抜いてやりましょう。
またピストンが勢い余って飛び出してキャリパーに干渉しないようにウエスや木片などで、養生しながら作業しましょう。
ピストンが外れたらゴムブーツとシリンダー内部のゴムシールをとりはずします。
固着して取り外しにくいかもしれませんので、マイナスドライバ―やピックツールなどを使い取り外します。
ゴムブーツやシールを取り外したシリンダー部はサビや汚れがひどい状態になっています。
これらをパーツクリーナーを吹きかけながら頑張って地道にサビ除去と清掃をしていきます。
また電動インパクトに右下画像の様なツールを取り付けて使用するとサビが取りやすかったので紹介いたします。
ブレーキキャリパークリーナーはマジで購入して良かったと思いました。溝部のサビ取りに適した寸法形状になっているので、オススメです。
今回取り外したブレーキパーツです。
左下画像がオーバーホール、清掃して再使用します。右下画像のパーツは交換廃棄です。
ちなみにブレーキ固着の原因になったと思われるのが下画像のブレーキピストンのサビです。
一応磨いてみましたが、やはりサビ跡が残っていますので交換です。
キャリパーマウントブラケット・サポートプレート清掃
ブレーキキャリパーマウントブラケットも清掃しておきます。
またブレーキパットのガイド用に金属製のサポートプレートがマウントに取り付けられていますが、こちらもブレーキダストや汚れを落としておきます。
下画像ではサポートプレートを取り付けた状態で真鍮ブラシなどで磨いていますが、マウントからこじってやれば簡単に取り外せます。上下とも同じ物が付いています。
右上画像のスライドピンが収まる穴に古いグリスが残っているのでパーツクリーナーや細いピンなどにウエスを巻き付けて突っ込み、取り除いてやります。
まとめ
お疲れ様です。
以上がブレーキキャリパーの分解清掃編になります。
僕の場合はピストンがサビていたので交換しましたが、キャリパーシリンダー内の溝部がサビがひどくて除去するのが大変でした。
あまりひどくて除去しきれなかったらキャリパー側も交換しようか⁉とも考えました。
もしサビや何らかの劣化、損傷がある場合はブレーキ部品なので交換をおすすめします。
ブレーキキャリパー分解清掃時に使用したキャリパークリーナー(キャリパーほじほじ)とブレーキラインのフルードストッパーは非常に便利なのでおすすめです。
ここまではバラシ作業なのでボルト、ナットが緩めばパーツを取り外せたと思いますがこれから組み立て組付け作業を行います。
ブレーキ整備なのでくれぐれも慎重に作業を進めていきたいと思います。
*整備経験、自信のない方は経験者に確認してもらうか、整備工場に作業を依頼しましょう。
コメント